文字びっしりの文書 ―お客様の時間と財産を奪う
長年、保険料を払ってきた生命保険の保険金がもらえる!
ということで、喜び勇んで請求しようとした鈴木さん。
ところが、説明を読んでも、どうしていいかわからないのです。
説明文は次のようなものでした。
<保険金の一時受け取りを希望される場合>
下記の書類を同封のうえ、支払期日の2週間前までに「返信用封筒」でご返送ください。
○満期保険金請求書
※満期保険金請求書に満期保険金受取人(請求人)ご本人が記入・押印してください。
記入にあたっては、同封の「記入見本」をご覧ください。
○本人確認書類(a.~e.のいずれかを提出ください。なお次のア.~ウ.をすべて満たす場合は不要です。ア.満期保険金1,000円以下 イ.受取口座に口座印字があり、その口座を指定 ウ.改姓等なし)
a.運転免許証のコピー(改姓されている場合は両面)
b.パスポートのコピー(旅券番号記載のページ)
c.住民基本台帳カード(写真入り)のコピー
d.公の機関が発行した写真入りの本人証明書のコピー
e.印鑑証明書(印鑑証明書と同一印を請求書に押印ください)
※a.b.c.d.は有効期間中のもの、e.は発行日から3カ月以内のもの
もし、あなたが保険金の受取人だとしたら、何と何を送りますか。
鈴木さんの場合は、本人確認書類が必要ないケースでした。
でも、わざわざ「印鑑証明」を取り寄せました。
説明を読んでもよくわからなかったのです。
必要書類が不足しているよりはマシかもしれません。
でも、お客様に、無駄な労力、お金を費やさせてはいけませんよね。
問い合わせも増えてしまうのではないでしょうか。
この文章で目につくのは、次の部分です。
○満期保険金請求書
○本人確認書類
a.運転免許証のコピー
b.パスポートのコピー
c.住民基本台帳カード
d.公の機関が発行した写真入りの本人証明書のコピー
e.印鑑証明書
つまり、箇条書きの部分です。
私は、このような難解な文章に出会うと、文章が短い(文字数が少ない)、読みやすいところを斜め読みします。
そういう方は多いと思います。
鈴木さんもそうでした。
そのため、次のようにすると、理解しやすくなるのではないでしょうか。
次のア.~ウ.をすべて満たす場合は、本人確認書類は不要です。
ア.満期保険金が1,000円以下
イ.「受取口座」欄に口座が印字されていて、その口座を満期保険金の振込先として指定する
ウ.「満期保険金請求書」に印字されている姓や住所に変更がない
言葉足らずの部分を補ったので、長くなってしまいましたが(笑)
ただズラズラと文字を並べるのではなく、パッと見て、読む気が起きるように、次の方法でメリハリをつけましょう。
- 図解する
- アイコンを使う
- 改行や空白行を入れる
- 数か所を太字にする
- 箇条書きを使う
ぜひ、お試しください。