クレームを増やす言葉 ―ケンカを売ってますか???
無形文化財級の(!?)失礼なメールをご紹介します。
これは、貸し会議室の利用を申し込んだ、
田中さん宛てに届いたメールです。
昨日ご連絡いただいておりまして、ご返信に関しましては、
昨日中にお電話させていただいておりました。
全て御社のA様にはご説明させていただいておりまして、
A様より田中様へ連絡するとのことでしたが、
A様より何もお聞きではないでしょうか?
この度利用されるお時間は、本当は何時からになるのでしょうか?
それによって料金も違います。
(料金説明)
ご理解いただけましたでしょうか?
これを読んで、「どこが感じ悪いの?」と思った方は要注意!
同じような文章を書いてしまう恐れがあります。
ポイントは「?」(クエッション)マークです。
~でしょうか?
~でしょうか?
~でしょうか?
・・・と、「?」が続くと、詰問されているような印象です。
日本語では、「か」は「疑問」の意味を表す終助詞です。
英語のように「?」をつけなくても、
たいてい、質問されていることはわかります。
逆に「?」を付けることによって、「問い」が強調され、
単なる質問のつもりでも、「問いただしている」「責めている」
といった印象になってしまうのです。
「何もお聞きではないのでしょうか?」は、
「何も」でさらに強調されます。
「え~っ??? もしかして、なんっっにも聞いてないのぉ~???」
といったところでしょうか。
ここでまずイラッときます。
さらに、「本当は~でしょうか?」という表現により、
まるでお客様が嘘をついている、隠し事をしていると
決めつけているように感じます。
「本当」の反対は、「嘘」。
こういった言葉を、私は「隠れ否定語」と命名しました。
そもそも、「会議室の利用時間」に関して、嘘をついたり、
隠し事をしたりする必要があるでしょうか。
かなり不愉快です。
極めつけは「ご理解いただけましたでしょうか?」。
人差し指をこめかみに当て、「おわかり~?」
と言っているような、小バカにした印象です。
「うちの社員は、こんな文章、書かないよ~」
と思った方・・・本当に大丈夫ですか(笑)
テンプレートやガイドラインがなく、
問い合わせやクレームへの対応メールを、
その都度、社員の判断で書くような場合は、
このようなことが起こりがちです。
一度、社員のメールをチェックしてみてはいかがでしょう。